2005年11月08日

トマト、コンビーフ、魚肉ソーセージ、クラッカー、牛乳

 ここのところ昔の話を書くことが多いせいか、頭の中はすっかり「過去振り返りモード」だ。
 ひとつの記憶が、また別の記憶をよみがえらせる。あんなこともあった、こんなこともあったと、頭の中で同窓会の会話をしているような状態だ。そんな思考を続けていたら、ふと食べたいメニューが浮かび上がってきた。トマト、コンビーフ、魚肉ソーセージ、クラッカー、牛乳だ。
 40代半ば以上なら、分かる人もいるだろう。ドラマ「傷だらけの天使」のオープニングで主人公のショーケンが食べていた朝食だ。
 オープニングのすべてが食べるシーンだった(フラッシュバックのようにショーケンが走ったりするシーンが挿入されていたと記憶するが)。目覚めたショーケンが、いきなりトマトをガブリ。コンビーフを缶のままガブリ(なぜか缶はすでに開いていた)。新聞紙をナプキンがわりに首にはさんで、またトマトをガブリ。それが口に残っているうちに魚肉ソーセージのビニールを食いちぎってガブリ。クラッカーを一枚食べて、それを牛乳で流し込む。そんなシーンだった。
 どの味も知っているし、ショーケンも美味そうに食べているわけではない。だが、そのシーンを見ているうちに、無性に同じものを同じように食べたくなった。食べれば、主人公のようなアナーキーなパワーが出るような気がした。
 で、実際に何度かやってみたことがある。
 荒っぽく粗雑な味だった。栄養的にもメチャクチャだ。でも、なぜか元気が出たような気がした。

 よし、昼飯はこのメニューを食って、元気を出そう!
posted by アイザワ at 23:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

追悼 本田美奈子さん

 本田美奈子さんが、38歳の若さで亡くなった。
 本田さんには会ったことがある。取材ではなく、ささやかな遭遇だが。
 もう10年以上も前のことだ。私は、ある雑誌編集部で徹夜仕事をしていた。担当編集者は原稿の仕上がりを待ちくたびれてマージャンをしに行ったまま帰ってこない。いくつかの編集部が同居している大きな部屋にいるのは私ひとり。原稿は遅々として進まず、夜が明けた。それでも眠気と闘いながら、原稿用紙に向かっていた。
 8時をまわった頃だ。ひとりの女性が「おはようございま〜す」と言って、部屋に入ってきた。
 私しかいないのだから、対応に立った。
「○○(雑誌名)の○○さん(編集者名)、来られていますか?」と女性。
 隣の編集部の編集者を訪ねてきたようだが、人の気配がなかったので「まだ、来てないみたいですけど」と答えた。その時、女性の顔を見て驚いた。本田さんだったのだ。
 アイドルがたったひとりで目の前に立っている。しかも、こんな早朝に。
 あり得ない事態に呆然とした。どう対応していいかも分からなくなり、言葉が出ない。
 すると本田さんは「あっ、いいです。私、約束の時間より、かなり早く来ちゃったみたいだから、どこかで待たせていただきます」と言った。
 その言葉に私は我に返り、編集者が来ればすぐ分かるソファまで案内した。
 本田さんとの遭遇はこれだけ。時間にすれば1〜2分というところだ。

 たぶん隣の編集部で本田さんの撮影があったのだろう。が、何かのアクシデントでマネージャーが遅れることになった。で、本田さんがひとりで訪ねたところ、編集者は来ておらず私しかいなかった。そんな状況だったのだ。その後、しばらくしてソファの方角から、話し声が聞こえてきた。複数の声が聞こえたから、編集者やマネージャーが集合したのだろう。そのグループはすぐに出かけていった。

 こんなささやかな遭遇だが、本田さんの印象は強く残った。
 芸能人や人気プロスポーツ選手など不特定多数の人を相手に仕事をしている人は、ある種のバリアのようなものを身につけている。フレンドリーな対応をしているようでも、どこか一線を画している。公的な顔を守り、私的な部分には立ち入らせないといったらいいだろうか(これは人柄とは関係なく、有名人の習性のようなものだ)。
 ところが、私が会った本田さんにバリアは感じなかった。ごく自然にあいさつをし、真っ直ぐにこちらを向いて話す。困っていると気遣いの言葉をかけてくれる。ちゃんとした敬語を織り交ぜた言葉使いも好感が持てた。もちろんオーラはある。が、近寄り難いと思わせるものではなかった。

 本田さんが出現したおかげで眠気は吹っ飛んだ。そして、なんか温かな気持ちになった(原稿どころじゃなくなったが)。
 もちろんファンになった。CDを欠かさず買うというような熱心なファンではなかったが、いつまでも第一線で活躍して欲しいと思っていた。
 だから、訃報を聞いた時は衝撃を受けた。
 たった1〜2分の遭遇で、これだけ心をつかんでしまう人なのだから、仕事などで密接な関係にあった人の悲しみは大きく深いに違いない。

 ご冥福をお祈りします。
 
posted by アイザワ at 00:09| Comment(0) | TrackBack(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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