2006年01月31日

トリノ五輪開催期間中、出場選手はブログを更新できなくなるらしい

 国際オリンピック委員会(IOC)は、トリノ五輪の期間中、選手のブログ更新を禁止するということを報道で知った。五輪憲章にある、大会期間中は選手やコーチはメディア活動をしてはいけないという規定に沿った決定らしい。
 メディア活動を禁止する表向きの理由は、情報がもれることで競技の公平性を欠くということだ。が、実際は他の理由がある。IOCは、放送権料をメディアにばくだいな金額で売っている。メディアが、オフィシャルスポンサーになることもある。選手の情報には大きな価値があるのだ。。
 それがブログという新しいメディアで公開されることは、契約をしているメディアの権益を守るうえで、問題があるというわけだ。だから、規制をかけようとしている。
 だが、ブログは個人が情報を自由に発信できるツール。五輪選手にとっては、応援してくれるファンと自分を結びつける媒体だ。そんなに神経質にならなくてもいいような気がする。
 こんな考え方は甘いのだろうか。ブログは、規制をかけなければならないほどの影響力を持ってしまったメディアなのだろうか。
 私も、スポーツ選手のブログはよく見る。そのなかには、トリノ五輪の代表選手のものもある。
 大会期間中の選手の臨場感あふれる言葉に触れられないのは、残念だ。
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2006年01月30日

ヌデレバは不思議なランナーだ

 仕事に追われていたので、大阪国際女子マラソンは断片的に観戦。だが、スタート直後に大本命のヌデレバが遅れだしたのには驚いた。だが、なかなかエンジンがかからず、途中で調子が出てきたら猛追するのは、アテネ五輪でも見られたこと。とりたてて強敵になりそうな日本選手も見当たらないし、「そのうち逆転するさ」と仕事に戻った。で、ゴールしそうな時間にテレビをつけたら、ヌデレバがぶっちぎりで勝った。2位は小幡。大差をつけたはずなのに、抜かれてしまうのは結局、野口みずきのような選手じゃないということなのだろう。
 テレビ局が期待した阿蘇品は35キロを過ぎたところで棄権。初マラソンはやっぱり難しいのだ。でも、完走できなかったのはマラソン向きではないということかも。
 多くの名勝負があり、多くの名選手が育った大阪国際がこの結果じゃ、ちょっと拍子抜け。
 たいして見てないけど印象に残ったのは、格の違いを見せて多額の出場料を稼いで帰るヌデレバの凄さ。でも、最初から遅れて優勝しちゃうんだから、不思議なランナーだ。
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2006年01月29日

超マイナーだけど、一度ジックリ見てみたい競技・バイアスロン

 トリノ五輪のガイド記事の仕事も大詰め(つまり、締切り間際)。資料に埋もれ、頭は冬季競技のことでいっぱいで、他のスポーツを見る余裕はない。これといったスポーツイベントもないから、いいけど。
 そんななか、超マイナーなため記事を書く機会はめったにないが、興味を持っている競技がある。バイアスロンだ。スキーで長距離を走るクロスカントリーと射撃を合わせた競技。種目は男女5つずつあって、ルールが微妙に違うが、競技形式が面白い。雪原を何キロか走ると、射撃ポイントにつく。ゼーゼーいってる呼吸と激しい心臓の鼓動と精神を静めながら、的を狙うのだ。的は5個あって、1個外すごとに、ペナルティとして1周150mのコースを走ることになる。つまり、お仕置きみたいなもんだね。5個全部外したりしたら、750mも余計に走らなきゃならないから、とても勝負にならない。
 もちろん全部的中すれば、お先に失礼って感じで走りだせる。強靭な肉体を持つトップ選手は、余力があるから呼吸も乱れないだろうし、ペナルティも最小限で済む。その分、体力も消耗しないから、どんどん有利になっていく。好循環が始まるのだ。逆に、力の劣る選手や調子の悪い選手は、悪循環にはまるというわけ。
 バイアスロンは、冬季の戦時技術から生まれた競技で、出場する選手は軍人が多い。日本選手(男女5人ずつ計10人)も、全員が自衛隊・北部方面隊の「冬季戦技教育隊(通称・冬戦教)」に所属する隊員だ。射撃なんていう一般人は普通できない技術が必要なのだから、これも当然で、バイアスロンをやっているのは、冬戦教の所属する人だけ。競技人口は日本でも十数人という世界だ。高校や大学でクロスカントリーをやっていた選手が厳しいテストを受けて入るケースが多いようで、誰にもできるというものではないが、競争が少ない分、五輪選手にはなりやすい競技だろう。ヨーロッパ勢との実力差は大きく、メダル獲得は無理だが、ジックリ見てみたい競技だ。でも、ほとんど放送されないんだろうな。
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2006年01月28日

冬季インターハイのアイスホッケーは、地域のレベル差がメチャメチャ大きい

 冬季インターハイのスケート競技が終わった。
 一応、全国大会だから全国の高校が参加するが、やっぱり強いのは北海道勢だ(ただし、フィギュアスケートだけは例外。北海道よりも、名古屋を中心とした中部、関東、関西の高校が強かったりする)。
 なかでも、アイスホッケーの地域によるレベル差は大きい。北海道などの強豪と関東、関西のチームがいきなり当たる1回戦のスコアは33−0とか、46−0といったシャレにならないほどの大差。トライ1個で5点、ペナルティゴールで3点といった具合にワンプレーで大量得点できるラグビーならまだしも、ゴールを決めて1点のアイスホッケーで、この大差はすごい。
 そもそも、スケーティングなどの基本的なスキルで大きな差があるのだろう。弱い側の高校は、パックに触らせてもらえない状態なのだ。
 今大会のスコアを見ても、レベル差を現す実例がある。山梨県富士吉田市にある北稜高校は、北海道幕別町(帯広の近く)にある江陵高校に59−0で敗れた。勝った江陵高校は、北海道清水町(ここも帯広の近く)にある清水高校に5−2で敗れ、勝った清水高校は青森・八戸工大第一高校に3−2で敗れた。八戸工大第一は準決勝で北海道・苫小牧東高校に4−3で敗れ、決勝に進出した苫小牧東高校は駒大苫小牧高校に11−2で敗れた。
 ということは山梨の北稜高校が、優勝した駒大苫小牧に当たったら、とんでもないスコアになるはずだ。
 でも、これもスポーツ。残酷なまでのレベル差を示されるのも意味がないわけではないと思う。これが現実。現実の厳しさを知ることも、貴重な経験だ。
 テレビ中継がないから、想像で語るしかないが、駒大苫小牧の強さは抜き出ている。アイスホッケーというスポーツに逆風が吹きまくっている今、高いモチベーションを維持して圧倒的な強さを見せている駒大苫小牧は立派だ。この優勝を称えたい。
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2006年01月27日

トリノ五輪・アルペン回転のふたりのエース、佐々木明・皆川賢太郎に活躍の予感

 スキー・アルペン競技の指導者K氏と会った。K氏は、トリノ五輪・アルペンの回転に出場する皆川賢太郎の親友であり、アドバイスをする関係。佐々木明とは先輩・後輩の間柄だ。
 別の用件があって会ったのだが、話はどうしても五輪のことになってしまう。
 その時のK氏の表情の明るいこと!
 皆川は今月16日、スイス・ウェンゲンで行われたW杯第5戦で4位、佐々木は24日、オーストリア・シュラートミングで行われたW杯第7戦で2位に入った。これはともに自己最高順位。トリノ五輪が目前に近づいたこの時期に、メダル圏内に入ってきたわけだ。
 K氏には皆川から近況を伝えるメールが来る。その内容は前向きな言葉が並び、今の充実度がうかがえるそうだ。で、その文面を見ているうちに、いてもたってもいられなくなって、急遽トリノに行くことにしたという。
 もちろん世界のアルペンスキーの層は厚い。どんなに調子がよくても、メダルを獲得するのは至難の技だ。だが、五輪は何が起こるか分からない。トップシード15人(世界のベスト15。コースが荒れていない最初に滑れる)の選手なら、誰にもメダルの可能性はある。佐々木も皆川も、その中に入っているのだ。
 K氏によれば、「賢太郎と明は互いの力を認め、刺激を与え合ういい関係。トップに2人いれば、プレッシャーも分散されるし、思い切った滑りを見せてくれると思います」という。もし、2人のどちらかが(ひょっとして2人とも?)、メダルを獲るようなことになった時、「現場に居合わせなかったら一生の悔いが残る」ということで、イタリア行きを決断したそうだ。
 現地のホテルは五輪価格で宿泊料金が高騰。日本円で1泊4万円以上するという。「そんなところにはとても泊まれません。でも、野宿をしてでも行ってきますよ」と言い切った。
 アルペン競技は旗門不通過や転倒も覚悟のうえの極限の滑りをしなければ、勝利はないから多大な期待はできないが、結果はどうあれ必見種目であることは確か。以前から楽しみだとは思っていたが、K氏の話を聞いているうちに、ますますワクワクしてきた。
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2006年01月26日

これでいいのか高校スポーツ その10

 今、冬季インターハイのスケート競技が北海道の苫小牧市で行われている。開催期間は1月22日から26日だから真っ最中だ。2月3日からは(7日まで)、スキー競技のインターハイが秋田県鹿角市で行われる。ぼちぼち話題になりつつあるトリノ冬季五輪が2月10日からだから、その直前だ。
 でも、そんな大会が行われてることを知っている人は、ほとんどいないんだろうな。新聞では確認した限りではどこも報じていないし、テレビのニュース番組のスポーツコーナーでもまったく話題にならない。それに全国一を決めるインターハイといっても出てくるのは北海道や東北、中部あたりまでの雪国・北国の選手ばかり(フィギュアスケートやアイスホッケーでは名古屋、関東あたりの選手・学校も出ているが)。まあ、注目度が低いのも無理はない。
 でも、それでも報じるべきだ。
 冬季五輪のスピードスケート男子500mで長野大会・金、ソルトレーク大会・銀とふたつのメダルを獲ってヒーローになった清水宏保(帯広・白樺学園高出身)も、今大会で同種目のメダルが期待されている加藤条治(山形中央高出身)も、長野大会・女子500mで銅メダルを獲り、34歳になった今もトリノ大会でメダル獲りに挑戦する岡崎朋美(釧路星園高出身)も、同種目で活躍が期待される吉井小百合(長野・東海大第三高出身)も、大菅小百合(白樺学園出身)も、アルペン回転でひょっとしたらメダルが獲れるかもしれないといわれている佐々木明(小樽・北照高出身=24日のオーストリアで行われたW杯では2位に入った!)も、皆川賢太郎(北照高出身)も、み〜んな、ここから育ってきた。今回、トリノ五輪に出場する選手のほとんどが、この冬季インターハイ育ちといっていい。
 そんな重要な位置づけの大会なのに、まったく無視状態。五輪という世界の舞台に挑戦する時だけ注目するっていうのは、マスコミの姿勢として情けないのではないか。
 とくに何度もいうようだが、NHKはフォローすべきだと思う。インターハイのスケートもスキーも、後援に(日本放送協会と)名を連ねている。別に大した視聴率を獲らなくてもいい教育テレビというチャンネルもある。中継しろとまでは言わないけど、結果を報じるダイジェスト番組でもやれば、スポーツファンは見るはずだ。そういう見たい人の期待に応えてこそ、受信料で運営されている「みなさまのNHK」ではないか。
 なお、今回のスケートインターハイでのスピードスケートでは、男子500mで冨岡幸弘、女子1000mで松田有幾、3000mで藤村祥子の白樺学園勢・3人が優勝している。また、男子の5000mと10000mの長距離2種目は黒岩信充(群馬・嬬恋高)が2冠を達成するなど、話題もそれなりにある(とくに500mの冨岡は好タイムを連発。今後の成長が楽しみだ)。
 だが、苫小牧まで見に行けない私は、彼らのパフォーマンスを確認することができない。
 見せてよ、NHKさん。
 そう思う人は少なくないはずだ(この項続く)。
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2006年01月25日

これでいいのか高校スポーツ その9

 2日飛んだが、高校スポーツの問題提起を再開。今回はNHKの役割について書く。
 フジテレビがバレーボールの人気や実力の向上のために、春高バレーに力を入れていることを書いたが、NHKだったら、他の競技もそれがやれるのではないか、ということだ。
 NHKも紅白歌合戦の大騒ぎなどを見ていると、視聴率を相当気にしていることが分かる。民放と同じ土俵で、視聴率競争をしているわけだ。が、受信料で運営されているNHK。民放のようにスポンサーを見つけなければ番組が成立しないわけじゃないし、また、NHK総合だけでなく、教育、BS1、BS2と複数のチャンネルを持っているのだから、仮に視聴率に直結しなくても、その番組を必要とする人がいる限り、それに対応する番組作りができる放送局だと思っている。
 私がいう、「それ」とは高校スポーツ各競技の全国大会だ。
 高校でスポーツの部活をしている人数は、高体連・高野連・それ以外の統括団体所属を含めて150万人ほどいる。その関係者や家族・親戚、友達などを加えれば、競技に関心がある人は500万人近くになるだろう。それだけの人が盛り上がる高校スポーツ全国大会を、なんで積極的に放送しないのかということだ。
 もちろん放送する競技もある。暮れには全国高校駅伝を中継した。インターハイでは、陸上競技や競泳、体操、バドミントンなどを中継している。だが、他にも競技はいっぱいある。マイナー競技の多くは中継どころか、どこが日本一なったかということさえ報じられることはない。
 インターハイや選抜大会など、別にスポンサーがいて、手が出せないのなら報じないのも分かる。ところが、そのいずれにもNHKは「後援」として大会ポスターやプログラムに名を連ねている。
 どのような形の「後援」かははっきりしないが、放送局なら放送という後援をやればいいではないか。視聴率はあんまり稼げないかもしれないが、放送すれば関係者は見る。関係者ではない人も、放送すればその競技に興味を持つ可能性だってある。実際、スポーツは見ればどんな競技でも面白さがあるものだ。
 日本で行われている高校スポーツ全競技、メジャーもマイナーも区別せずに放送したっていいじゃないか。それができるのはNHKだけなのだ。
 高校野球を全試合中継するのなら、その他の競技はせめて決勝だけでも中継して欲しいと思っている(この項続く)。
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2006年01月24日

一発レッド、それも再起困難なレッドカードをもらったホリエモン

 あるJリーグチームの昨シーズンの総括と今シーズンの展望を書く仕事を頼まれたので、昨シーズンの資料をチェックしていたら、興味深いデータを発見した。
 Jリーグが設定している反則ポイントだ。警告(イエロー)1回につき1ポイント、警告2回の退場も1ポイント、一発退場(レッド)1回は3ポイント、出場停止試合は3ポイントで、これを加算し、1シーズンで103ポイント以上のチームには反則金を課す制度だ。金額も決まっていて、たとえば103ポイント以上112ポイント以下は40万円、173ポイント以上は300万円もの反則金を、該当チームはJリーグに払わなければならない。

 昨シーズンの反則ポイントを見ると、成績と妙に符合する部分があるのだ。
 終盤もたついたものの悲願の初優勝を飾ったガンバ大阪は反則ポイント70で、18チーム中、2番目に少なかった(ちなみに、1番反則ポイントが少なかったのは、ポイント52のFC東京=10位で、フェアプレー賞をもらった)。
 一方、最も反則ポイントが多かったのは東京ヴェルディで、そのポイントはなんと156。かつての王者も、昨シーズンは17位に沈み、J2落ちしてしまった。また、反則金を200万円も払わされている。なお、同じくJ2落ちしたヴィッセル神戸の反則ポイントは127で18チーム中13番目、柏レイソルは131で15番目。いずれも、反則が多いチームが低迷し、J2落ちした。
 
 サッカーでは勝つため、あるいは負けないために必要なファールというものもある。「ここで抜かれたら決定的なシーンにつながる」という時、ベテランのDFは警告覚悟のファールをする(レッドにならない程度で止めるのがベテランの技)。
 だから、ファールは一概に否定できないが、しないで済めばそれに越したことはない。反則をすれば、やはり後々響いてくる。退場を食らえば、少ない人数で戦わなくてはならないし、レギュラーが出場停止になれば、コンビネーションが狂ってくる。反則が少なかったガンバが優勝し、多かったヴェルディやヴィッセルがJ2落ちしたのは、その証明のような気がする。

 そんなデータを調べていた時に、ホリエモンをはじめとするライブドアの幹部の逮捕のニュースがラジオから聴こえてきた。
 ある新聞記事によればホリエモンは、経営をサッカーになぞらえて、「イエローは1枚もらっても2枚もらわなければいい」とか、「勝つためには場合によっては反則を犯してもいい」というようなことを語っていたようだ。
 ホリエモン率いるライブドアは、新参チームにもかかわらず連戦連勝。目立つエースストライカーのホリエモンがいて人気も得た。だが、そのホリエモンのゴールは反則の積み重ねによって得られたものだった。
 それが審判に見つかった。一発退場、それも、人生を棒に振るほどの強烈なレッドカードだった。
 たぶん、100%反則をしないでプレーすることはできない。だが、最初から反則頼みでは、どこかが破綻するし、結果的には落ちていくしかない。ホリエモン逮捕の報を聴いて、そんなことを考えた。
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2006年01月23日

私が注目するアスリート その4 陸上競技長距離・佐藤悠基(東海大学)

 今回は高校スポーツに関する問題提起は、ちょっとお休み。
 以前から「私が注目するアスリート」で書こう書こうと思っていた選手が、22日に行われた全国都道府県対抗男子駅伝で走ったので、いい機会だから書く。優勝した長野のアンカーだった佐藤悠基(東海大)だ。
 全国高校駅伝で活躍した長野・佐久長聖高校時代から、怪物扱いされていた逸材。高校3年時には、10000m28分7秒39という従来の記録を20秒も上まわる驚異的高校記録を作って話題になったから、陸上ファンなら知っている人も多いだろう。今年の箱根駅伝でも、3区を走って区間新記録を作った。だから、今さら書く必要もないのだけれど、走るたびにホレボレさせられるから、あえて書く。
 まず、ホレボレさせられるのは、理想といえるフォームだ。上体の軸がまったくぶれない。無駄な力は使っておらず、それでいて伸びたストライドがリズムよく回転する。
陸上競技は、短距離も長距離も脚力が注目されるが、実は全身の筋肉を使っている。腹筋、背筋、腕の振り、体のバランスを取る筋肉…。足を高速回転させるには、それらの筋肉を総動員しなければならないから、並の選手はどうしても体の軸がぶれる。しかし、佐藤悠基はぶれない。生まれもっての強靭な筋力やバランス感覚があるのだろう。その余裕があるから、体に余分な力を入れなくても足を速く前へ送り出せる。だから、100mを18秒ぐらいの高速で走っても、ジョギングでもしているように見える。
それともうひとつ凄いと思わせるのはメンタル面だ。といっても熱血漢というわけではない。むしろクールだ。
知り合いのライターから聞いた去年の全日本大学駅伝の予選会でのエピソード。関東の予選会は、各大学の選手8人の合計タイムで代表が決まる。東海大は予選通過レベルのタイムを出していたが、佐藤は足に違和感があったということで途中棄権し、東海大は出場の権利を失ったという。佐藤は1年生だ。出場権を得るため、先輩たちと走る手前、普通なら違和感程度で走るのを止めるわけにはいかない。箱根駅伝をはじめとする学生スポーツには、「体がダメになっても母校のために頑張る」という自己犠牲の論理がまかり通っている。考えてみれば実に非合理的だが、学生スポーツ界はタテ社会。変だと思っても、その常識には従わなければならず(体育会系の選手たちには、そうした体質があり、進んで受け入れている部分もある)、つぶれていく選手も多い。
しかし、佐藤はそんな根性主義よりも、アスリートとしての自分の体を優先した。佐藤は誰もが期待する逸材だし、最近の大学体育会は昔ほど理不尽なところではなくなっているから、この行為はとくに問題視されなかったようだが、周囲の目は厳しくなる。ふがいない走りはできないプレッシャーにもなる。だが、佐藤は箱根駅伝で快走を見せた。周囲が何も言えないだけの結果を出したのだ。
都道府県対抗駅伝で見せたのも、クールな走りだ。タスキを受けた時、2位の兵庫とは1分近い差があった。燃えるタイプの選手だったら、さらに差を拡げようと頑張るかもしれないが、佐藤は、どの程度のペースで走れば抜かれないかを計算して走っているように見えた。追いかける兵庫の細川には少し差を詰められたが、まったく危なげない走りでアンカーの務めを果たした。
この冷静さが頼もしい。今後の日本男子長距離界のエースに育つ可能性は大だと思っている。
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2006年01月22日

これでいいのか高校スポーツ その8

 土曜日の夕方はフジテレビで春高バレーの東京都予選をやっていた。おそらく各地のフジテレビ系ネット局でも、代表決定戦は放送するのだろう。都道府県大会レベルまで地上波で中継してくれるのは高校スポーツファンとしてはありがたいことだ。
 もっとも、こういうことができるのは、テレビ局の事情もある。
フジテレビはバレーボールに力を入れている。世界選手権やワールドカップといった国際大会を積極的に放送。盛り上げに躍起だ。バレーボール人気というのは不思議で、Vリーグは注目度が低いのに、日本代表戦になると妙に盛り上がる。過去、男女とも世界一だった名残りで活躍する期待感があるのだろう。国際大会は20パーセント以上の高視聴率を取ることもよくある。かおる姫(菅山かおる)、メグ・カナ(栗原恵・大山加奈)といったアイドルも生まれる。商売になるのだ。
春高バレーも、この流れのなかにある。選手が成長する高校時代から注目して、将来のアイドル候補を発掘し、そういう選手がいたら、スターに仕立てようというわけだ。盛り上げや実力向上のために、代表クラスの選手や有力OB・OGを各地に派遣するコーチングキャラバンなども行っている。
こういう書き方をすると批判的にとられるかもしれないが、私はとてもいいことだと思っている。
高校を底上げをすることで、トップの盛り上げが図れるのだ(日本代表戦の、タレントを必要以上に使った演出はどうかと思うが)。
こうした事業は、他の競技でもどんどんやってもらいたい。
高校バレーのフジテレビのように、他の民放も力を入れてきたスポーツはある。高校サッカーは日テレ系、高校ラグビーはTBS系。それぞれ住み分けがあって盛り上げを図ってきたが、TBSのラグビー中継が縮小されるなど、フジのバレーを除いて、最近はちょっと退潮気味だ。
多チャンネル時代で、ソフトが不足しているといわれる今、フジのバレーのように高校から注目するという考え方があってもいいのではないか。
民放の場合はスポンサーを見つけなければ成立しないから、難しい部分もあるだろう。
しかし、NHKならできるはずだ(この項続く)。
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2006年01月21日

これでいいのか高校スポーツ その7

 「外国人留学生は手っ取り早く勝利を得、校名をアピールするために金で連れてこられたプロ。そんな行為を許していたら、高校スポーツはダメになる」という声は多い。
 確かに、ケタ外れの身体能力を持った外国人留学生がいる高校が上位を独占するようになったら、大会は面白くなくなるし、都道府県の代表がナンバー1を争う選手権の意義も薄れてしまう。
 それに対する措置として、高体連では、外国人留学生に対する規定を作っている。
 短期留学生は認めず在籍する高校を卒業する目的で入学していること、参加人数枠は、エントリー数の「おおむね20パーセント以内」を原則とし、その規則は専門部(主催の競技団体など)が定めるということなどだ。
 20パーセントというと5人に1人、10人で2人の割合だ。5人で行われるバスケットボールなら1人、7区(7人)で行われる高校駅伝男子も1人、11人のサッカーなら2人で、15人のラグビーなら3人までということになる。
 実際、高校バスケットの規定では、エントリーは2人までだが、コートでプレーできるのは1人という規定があるし、高校駅伝も同様だ。しかし、バスケットボールでひとりでも2メートルを超す選手がいたら、すごいアドバンテージになる。駅伝でも、最も長い10キロの1区にケタ違いの留学生が起用されたら、大きなリードになる。個人競技(たとえば卓球)なら、技術の差は歴然となる。
 外国人留学生の大会参加枠は、競技の面白さ(選手にとっては、モチベーションを維持できるかどうか)のギリギリのところに設定されているわけだ。
 私としては、とりあえずこのラインでいいと思っている。
 でも、この辺をスポーツファンを含めた一般レベルで、論じられることがないんだよね。
 留学生問題を語るなら、そして高校スポーツ、ひいては日本のスポーツ界を真剣に考えるなら、こういうことも、多くの人が論じ合う状況が必要だと思う。(この項続く)。
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2006年01月20日

これでいいのか高校スポーツ その6

 身体能力においても技術においてもレベルが違うスポーツ留学生で構成される強豪校と、地元出身の選手が頑張って都道府県代表となった高校が、混在する高校の選手権は、いびつだし、内容的にもシラけるという趣旨のことを前回書いた。
 にもかかわらず、私は基本的に留学生是認派だ。
 数年前、外国人留学生を受け入れているラグビー強豪校の監督に話を聞いたことがある。その地域では輝かしい実績を残し、名伯楽とも呼ばれる指導者だ。その監督は外国人留学生にプレーさせる意味を次のように語った。
「留学生は体格も日本選手とはひとまわりも違いますし、センスも違う。そんな選手の力を借りて、勝とうというのはアンフェアだという声も聞きます。が、私としては勝つためだけに、やっているわけではない。日本のラグビーをレベルアップさせるには必要だと思っているのです。高校年代から、大きくてゴツい選手と対戦すれば、世界の強さが実感できる。日本のラグビーを世界に通用させるためには、日本人だけの生ぬるいレベルでやっていてはダメ。外国からの留学生を起用するのは、そうした刺激が日本の選手の刺激になってくれればと思っているからです」
 そう語るとおり、その監督は留学生を起用することに冷静だった。ラグビーは危険がともなうコンタクトプレーがある競技だ。しっかりとした体づくりや技術ができていない相手の場合は、当たった時に危険が生じるから留学生は出さないと言っていた。留学生を受け入れるのは、あくまで高校生に世界を経験させることであり、日本のラグビーのレベルアップのため。この考え方を、私は支持する。
 たとえば、これがアメリカのような多民族国家だったらどうだろう。アフリカ系の身体能力に秀でた選手が混在する試合でも、アンフェアだなんて声は起こらないはずだ。(こうした流れは、ヨーロッパにもあり、アフリカ系の移民選手がその国代表として国際大会に出場し好成績を収めることは多い)。
 日本は島国であり、単一民族といわれているせいか、差異のある外国人を受け入れることに抵抗がある。でも、万事グローバル化が進むこの時代。「日本人だけで、やってましょ」というわけにはいかないし、レベルアップにはシビアな状況を用意することも必要だと思うのだ(この項続く)。
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2006年01月19日

これでいいのか高校スポーツ その5

 他県あるいは他国からのスポーツ留学生を受け入れている高校が、全国大会の上位を独占する状況は今や当たり前になっているし、この流れは止めようがないところまできている。これらの高校がトップアスリートを育てている現実があるわけで、今さら、とやかくいうことではないとも思っている。しかし、そう思う私にしても、割り切れない部分はある。こんな状況で、47都道府県の代表が日本一を争うという名目の「選手権」の意義があるのかということだ。
 たとえば昨年暮に行われたバスケットボールのウインターカップ。決勝は予想通り、セネガル人留学生がいる福岡第一と延岡学園の対戦になった。当ブログでも書いたが、その試合はレベルの高いプレーが続出したうえ、追いつ追われつの展開で実に面白かった。2メートル超のセネガル人選手同士のセンタープレー争い。それをフォローする日本人選手の巧みな技術。高校生離れした試合を楽しませてもらった。が、それ以前にこれらと当たったチームは、とても歯が立たず、一方的なゲームを強いられた。
 男子駅伝も、1区でトップを争ったのはケニア人。その一角である仙台育英が3連覇を飾った。もちろん優勝は2区以降の選手も実力がなければ、できるものではない。が、ケニア人ランナーのアドバンテージがあることも確かだ。つまり、こうした有力留学生がいない高校は、ハナから優勝を度外視した戦いを強いられているということだ。そこに平等な戦いはなく、全体的に見ると、予想通りの盛り上がりに欠ける全国大会になってしまう状況がある。
 県予選レベルになれば、もっと脱力感があるだろう。同じ県に留学生で固めた超強豪校があれば、他の高校はほとんど代表になる望みはない。プレーをするときも、どこかにあきらめ気分があるはずだ。この構図はやはり、どこかいびつである。(この項続く)。
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2006年01月18日

これでいいのか高校スポーツ その4

 仕事先の新年会に招かれ、つい深酒。なんとか自宅にたどり着いた状態で、日記が書けなかった。というわけで、一夜明けた今、二日酔いの頭を抱えながら、書いている。
 今回は、スポーツ留学についてだ。

 トップアスリートになる選手のほとんどが、親の影響で幼い頃に、その競技を始める。
 大物の片鱗は小学生時代に現れるものだ。当然、親も選手本人も、さらに上を目指す気になり、よりよい指導者、よりよい環境を求めて、進学する中学、高校を選ぶことになる。
 家の近くにそういう学校があればいいが、そんな恵まれたケースはめったにない。で、各地にあるその競技の名門校に「留学する」ということになる。受け入れる側の学校だって、好素材は欲しい。入学金や授業料、寮費の免除(あるいはもっと?)といった特別待遇を提示こともある。選手の側も、そうした条件を判断材料にし、進学先を決める。よほどのマイナー競技は別だが、多くの競技で、そのようなエリート養成のネットワークはできているのだ。
 当然、全国大会の様相はいびつなものになる。一部の強豪校が上位を独占し、地元のごく普通の選手が入り、ごく普通の部活をして出てくる学校は、とても歯が立たないというような。
 スポーツ留学を問題視する人は、こんな状況が気に入らないようだ。
 が、それはそんなに悪いことだろうか。
 誰だって、自分の人生を切りひらくために進路を決める。これは学業だって、文化・芸術の分野だって同じ。名門大学へ進学するために、遠隔地にある進学名門校に入る生徒もいる。音楽で身を立てるために、名指導者のいる学校へいく生徒もいる。スポーツの場合、全国大会という目に見える結果があるため、問題視されることが多いのだろうが、他人がとやかくいうことではないはずだ。昨夏の甲子園開会式で文科大臣が「地元出身の生徒たちが出てくるべきで、野球留学は問題だ」という主旨の発言をしたが、スポーツ界の状況を無視した情緒的な意見に過ぎない。(この項、続く)。
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2006年01月17日

アルペン・皆川賢太郎、W杯第5戦で4位。やったね!

 うれしいニュースがあったので、今日は高校スポーツの話はお休み。
 そのニュースとは、アルペンスキーの皆川賢太郎がスイス・ウェンゲンで行われたW杯第5戦の回転で4位に入ったことだ。第1戦では、佐々木明が4位に入っている。トリノ五輪に出場するふたりの日本代表が、揃ってメダル圏内に入ったのだ。
 これは凄いことだ。アルペンスキーは、他の競技とは比べものにならないほど、層が厚い。欧米勢の壁は厚く、第一シードの15人に入ることさえ至難の技。いってみれば、F1のようなものだ。
そのなかに2人の日本人選手が入り、上位争いをしているのだから、ワクワクする。
皆川は3度目の五輪、佐々木は2度目。W杯などの国際試合の経験も豊富で、大試合だからといってビビることもない。直前に4位という順位に入ったのは自信になる。また、2人いればプレッシャーも軽減されるし、本番でも思い切った攻めの滑りができるだろう。
2人とも北海道・小樽北照高校のOB。28歳の皆川は努力型、24歳の佐々木はぶっとんだ性格の天才型。タイプは違うが、お互いを認め合ういい関係だといわれる。互いの滑りは、いい意味の刺激になるはずだ。
冬季五輪・アルペン競技で日本選手がメダルを獲得したのは、1956年のコルチナダンペッツォの猪谷千春氏だけ。ひょっとすると、同じイタリアの地で50年ぶりの日の丸が見られるかもしれない。トリノ五輪が本当に楽しみになってきた。
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2006年01月16日

これでいいのか高校スポーツ その3

 マイナースポーツの選手たちは、どのような動機でそのスポーツを始めるのか。前回は疑問形で終えたが、答えは解っている。親の影響が大なのだ。
 父親か母親のどちらか(場合によっては両親とも)が、その競技をやっていて、楽しさや面白さを知っている場合、子供にもやらせるパターンが圧倒的に多い。
 ウチの中3の娘は、バドミントンをやっている。ウチの場合は友達に誘われて地域のクラブに入ったのだが、知り合った強い選手たちのほとんどは親が元選手だったり競技経験者だった。
 取材で会った選手にしても、始めた動機を聞くと、マイナー競技になればなるほどそのパターンが多い。
実際、トップアスリートの多くがそうだ。ハンマー投げの室伏広治、卓球の福原愛、塚原直也をはじめとする体操の有力選手、トリノ五輪に出場する選手も多くは親の影響で小さい頃から競技を始めた選手だ。今ではマイナーといっていいか微妙だが、ゴルフの宮里藍にしても横峯さくらにしても、父親の情熱的指導があって大きく育った。
有力選手として育つうちの大多数が、そうした「世襲型」の選手。そこに少数加わるのが、ウチの子のように、たまたま人的つながりがあったり、近くに有力クラブがあったりするケースだ。
 各競技団体は、競技力向上のためには底辺拡大が必要だとよくいう。競技を盛り上げ人気を獲得し、競技人口を増やすことから好選手が育ってくるという発想だ。だが、現実にはそれができるのは野球とサッカーだけであり、マイナー競技は底辺は拡がらない状態が続いている。少子化が進めば、拡がるどころか底辺は狭まる一方だ。
 そんな状況で選手育成を担う原点にあるのは親の情熱だ。個々の親が我が子に競技の楽しさを教え、実力を伸ばすための最良の環境を探し、その意を受けた有能な指導者が育てる。
システマチックに選手を育成する環境は現状ではないに等しく、結局は親の情熱頼みという、お寒い状況なのだ。
テレビ局をはじめとするスポーツマスコミは、こうしたお寒い状況をほとんど伝えない。伝えるとすれば、その中からたまたま育ったトップアスリートを、活躍が予想される大会前などに持ち上げるというパターンだ。持ち上げる時は、徹底的に持ち上げるから、一見、有望選手が次々と育ってきているように思える。だが、それは錯覚。実際には、日本のスポーツは危機的状況にあると私は思っている。
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2006年01月15日

これでいいのか高校スポーツ その2

 前回は、高校ラグビーの中継が縮小されたことを書いた。これで、ラグビーはマイナースポーツ化の道をたどることになるだろう。放送されないことが、マイナー化につながるというのは短絡的だと思うかもしれないが、案外、スポーツの人気というのはそんなものだ。
 昔から、競技人口が多かったのは野球。プロ野球というものがあり、毎日のようにジャイアンツ戦がテレビ中継され、ヒーローが生まれる。それに憧れて、運動能力が高い少年は、大体が野球部に入る。足が速くても、陸上部には入らず野球部。ボール扱いが巧い器用な少年も、バスケットボールやテニスよりも、野球を選ぶ。運動能力に秀でた子は、まず野球を目指し、そこからもれた子が、他の競技にまわるという構図が日本にはあった。
 そこに93年、Jリーグというプロサッカーリーグが生まれた。サッカーの注目度は上がり、レベルも上がってW杯という目標も生まれた。運動能力に恵まれた少年にはサッカーという、もうひとつの選択肢が登場したのだ。
 スポーツをやろうとする動機はスターに対する憧れが大きい。野球なら野茂、イチロー、松井秀…、サッカーならカズ、中田英、中村俊、宮本…、あんな選手のような活躍をしてヒーローになりたいという思いが、その競技に向かわせる。注目度、露出度の高いスポーツでなければ、そういうことはありえない。
 人の目に触れる頻度、つまりテレビでの放送が少なくなることで、そのスポーツはアウトなのだ。
 では、マイナースポーツを志す少年たちは、どういう動機でプレーを始めるのだろうか。
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2006年01月14日

これでいいのか高校スポーツ その1

 冬シーズンのスポーツイベントも大体一段落したところで、私がこだわっている高校スポーツについて思っていることを書いていこうと思う。
 当ブログとは別に運営しているサイト(高校スポーツ・ウルトラランキング)でも書いていることで、重複する部分もあるが、今現在感じていることをつづっていく。
 高校スポーツは日本のスポーツの土台に位置する部分だ。プロ野球選手も、Jリーガーも、オリンピックや世界選手権などの国際大会に出場する選手も、ほとんどが高校の部活で鍛えられ、高校選手権やインターハイなどの高校大会で育っていく。
 大事な土台の部分なのに、その割りには注目されることは少ないし(野球やサッカーは注目されるけど、一過性のもの)、内在する問題(留学生問題など)をマスコミが取り上げたり、真剣に論じられることはあまりない。
 もちろん注目度が上がることがすべてではない。現場(大会会場)に行けば、身内レベルだけどそれなりに盛り上がっているし、トップレベルの選手は注目度とは関係なく、高いモチベーションを持って競技に打ち込んでいる。
 でも、注目されないより、された方がいいに決まっている。問題も論じられ、少しでも改善された方がいい。だから、問題提起として書き続けていこうと思う。
 その第1回目は、全国高校ラグビー大会のテレビ放送縮小についてだ。
 私は5年前の01年シーズンまで、全国高校ラグビーの広報誌のライターをしていた。その年まで、テレビ放送もサッカー選手権とほぼ同じ体制がとられていた。ラグビーはTBS系、サッカーは日テレ系のネットワークで放送。同じフットボールのライバルとしてスポーツファンの注目を集めていた。 
 高校ラグビーの場合、準々決勝までは生中継こそなかったが、当日の夜にはダイジェスト番組が組まれ、すべての試合の詳細が紹介された。大八木淳史さんなどが、解説者として盛り上げ役を務めていたのを覚えている人も多いだろう。準決勝からは生中継が行われた。スポンサーは住友グループ。試合の合間に流されるイメージCMは正月の風物詩だった。
 だが、住友グループがスポンサーから降りてからは放送体制が一変した。今年などは、準決勝までダイジェストもなし。決勝の1試合が中継されただけだ。CSやインターネットでの中継は行われていたが、これはよほど好きな人でなければ見ない。これでは、スポーツとしての注目度、人気度でもサッカーにますます差をつけられてしまうだろう。
 私はスポンサーをどうこういうつもりはない。大会をスポンサードするにはハンパではない大金がかかるし、道楽でやれることではない。01年シーズン当時から、高校ラグビーの競技人口は減っていて、選手15人揃わないチームも出てきていた。そういう状況を見て、スポンサーを降りる判断を下すのは企業として当然ともいえる。だが、そうだとしても、ラグビー人気を維持するためにも、協会や、その意を受ける放送局は、それに変わるスポンサーを探すべきだろう。そこでの積極的な働きかけがなかったことが、現状につながっているように思う。
 スポーツの人気というのは案外単純なものに左右される。ひとり、ものすごいスーパースターが現れれば突然人気が出ることもある。ラグビーでいえば、スクールウォーズのようなドラマがヒットしたことで競技人口が増えた。いずれにしても、注目を集めることが必要条件だ。
 ラグビー界は土台である高校ラグビーで、それを怠った。
 私には、地上波で決勝戦しか見られなかったことが、無性に寂しかった。
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2006年01月13日

小倉隆史、安永聡太郎、増田忠俊… このJリーガーのプレーする場所がないなんて

 私は特定のチームのサポーターではない(応援しているチームは、いくつかあるが)。J1、J2を問わず、どんなカードでも見るし、どのチームにも好きな選手、気になる選手がいる。
 そんな私にとって、今オフの「所属チームからの解雇→移籍リスト入り選手」のニュースは驚きの連続だ。凄いプレーを見せ、何度も感動させてくれた選手の行き先がない。「あの選手が、なんで…」という思いがつのるのだ。
 その驚きの対象、今季の所属チームが決まらず、ひょっとすると現役引退ということになるかもしれない主な選手をあげてみる。
 小倉隆史(前所属・甲府)、安永聡太郎(柏)、増田忠俊(柏)、薩川了洋(柏)、森岡茂(G大阪)、安藤正裕(大宮)、阿部敏之(鹿島)、小島宏美(神戸)、和多田充寿(神戸)、桑原裕義(新潟)、氏家英行(草津)、熊谷浩二(仙台)、秋葉竜児(仙台)、三原広樹(札幌)、辻本茂輝(京都)、白井博幸(湘南)、浮気哲郎(湘南)、小石龍臣(鳥栖)などだ。
 十分活躍し、存在感を示して引退した相馬直樹(川崎)、澤登正朗(清水)、松波正信(G大阪)あたりは納得できるが、移籍リストに載ったこれらの選手は、本人もまだできると思っているだろうし、私もまだプレーを見たい。
 なかでも、このまま終わったら不完全燃焼だろうなと思うのが、小倉、安永、増田だ。
小倉は93年のJリーグスタート時、誰よりも輝いていたストライカーだった。日本代表を背負って立つ点取り屋になると思っていた。ケガに泣かされ、代表では目立った活躍はできなかったが、それでもゴールセンスは抜群。甲府でもその存在感は際立っていた。安永も、ここぞというところで決める大物の雰囲気を持ったストライカー。増田は日本代表にも選ばれたが、やはりケガで活躍の機会を失った。だが、そのキレのあるプレーにはいつもほれぼれしていた。
解雇され移籍リストに載っても獲得に名乗りを上げるチームがないというのは、何か問題があるのだろう。だが、このまま終わるのは惜しい。
仮にJリーグのチームからオファーがなかったとしても、JFLからお呼びがかかったらプレーして欲しい。それがJFLであっても、もうひとはな咲かせるところを見せてもらいたい選手たちだ。
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2006年01月12日

取材したことがある選手が次々と解雇される現実…、Jリーグの厳しさを思い知る時期

 プロ野球各球団の今季のチーム編成は外国人選手を残してほぼ決定したが、Jリーグは今が真っ盛り。新入団選手内定のニュースがあるかと思えば、解雇される選手の名前も発表される。移籍の話も次々と浮かび、決定したり、白紙に戻ったり。名前が上がっている選手は、落ち着かない日々を過ごしているはずだ。
 サッカーは選手の移動が激しい。選手の顔ぶれがゴッソリ変わり、去年と今年では、まったくイメージが違うチームになってしまうこともある。その変わり様が、新しいシーズンの見どころにもなるのだが、やはり選手の解雇の報は、寂しさを感じる。
 私が取材したことがある選手も何人かが解雇された。いずれも、30歳を越えるか越えないかの年齢だ。その名前を見ると、取材の時にした話が思い浮かぶ。「自分の課題はフィジカルだから、もっと体をいじめないと…」、「クロスの精度を高めたいですね」等々、みんな前向きに抱負を語っていた。日本代表入りを目標としていた選手も少なくない。実際、それだけの力量を持っていた選手はいたし、代表候補に入った選手もいた。それでも力が落ちたと見られれば、解雇通告を受けるのだ。
 「来年は契約の更新をしない」と言われた時は、ショックだろうな。自信があるから、プロになった。その自信もプライドも、一気に崩壊してしまう瞬間なのだから。
 Jリーグでは、現役を退いた後の人生をフォローするキャリアサポートセンターを設置し、職業訓練的な講習を行っている。選手も現役よりも第2の人生の方が長いことを知っている。その現実を受け入れ、様々な職業体験を積む選手も多い。それでも辛いものは辛い。
 勝敗がはっきり出る世界の厳しさを思い知らされる季節だ。
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