2005年11月30日

耐震偽装の参考人質疑に出てきた社長たちを見て思ったこと

 耐震強度偽装事件の参考人質疑の模様をニュースで見た。出てきた連中は責任転嫁発言を連発。見苦しい限りだった。
 が、ライターとしては複雑な思いもあった。
 ヒューザーの小嶋社長も木村建設の木村社長も本を出している。読んでいないから詳しい内容は分からないが、報道によると「私は儲けることは二の次にし、お客様に安心して住んでもらえる物件を提供することを第一に考えて仕事をしてきた」というような、実際にやっていたこととは真逆のことを語っているようだ。
 お笑いぐさだ。しかし、ライターとしては笑ってはいられない部分がある。
 本を書いているのは、ライターなのだ。日記にも書いたが、私は昨日、ある会社の社長のインタビューをした。スポーツ選手をはじめとする有名人に取材をして記事を書くことは日常茶飯事だ。ゴーストライターとして本人に成り代って本を書いたこともある。
 こういう仕事は大体、編集者から持ちかけられる。内容はほぼ「ヨイショ記事」と決まっている。功成り名を遂げた人の成功を称える記事にするのだ。
 事前に資料は調べるが、初対面だし、本当にすばらしい人物かどうか分かるものではない。だが、仕事として受けた限りは話を聞き、その内容を忠実に、ある時は良い部分をふくらませて書く。
 めぐり合わせによっては、小嶋社長や木村社長のことを書いていたかもしれない。その記事を読んだ人が感動して、彼らが作ったマンションを買う可能性だってある。もし、そういうことがあったら、耐震偽装問題の共犯者みたいなものだ。
 幸い私はこれまで、問題を起こす人物の記事を書いたことはないが、ライターという仕事にはそういうリスクがつきまとう。初めて会った人に、ほんの数時間話を聞いたって、その人の本質まで分かるものではない。発言を検証する余裕もない。
 ライターというのは、そういう仕事をしている。だから、笑えない。

 ただ、長年取材をしていると、その人物が心にもないキレイ事ばかりを語っているのか、本心をさらけ出しているのかは、なんとなく分かる。信用できない部分があれば、同じヨイショ記事を書くのでも、どこかに制御を働かせているつもりだ。
 ライターという仕事を続けていく以上、そういう感覚は研ぎ澄ませておかなければならないと、参考人質疑を見て感じた。
 
posted by アイザワ at 00:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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